10.23.2018

no.272 たわ言R《にくらしげ》

=Rから始まるとある会話=

「レアだと生っぽいし」

「ウェルダンだと硬そうだし」

「やっぱミディアムだよね」

「なんでもほどほどがいいんだよ」

「でしょ。私こないだのテスト50点」

「ほどほどって70点ぐらいでしょ」

「その点数私にとってはレアなんだけど」






【Jazz A to Z】

《Irene Reid(アイリーン・リード)》



音楽ジャンルで言うところの”R&B”とはリズム&ブルースのことだ。

アイリーン・リードには強くブルースを感じる。

明るい曲でも暗い曲でも速い曲でも遅い曲でも。

あくまでも僕の中のブルースだ。

ブルースの感覚は簡単にわかるもんじゃない。

真のブルースの感覚を僕は生涯知ることはないだろう。

だけど、だからこそか、彼女は僕の理想のブルースを覗かせてくれる。






8.02.2018

no.271たわ言Q〈クサいものには電話しろ〉

=Qから始まるとある会話=

「嗅覚に自信ある?」

「こないだ友人と一緒にいたら〈プッ〉と音が聞こえたんでとっさに『オナラしたでしょ』と指摘したんですよ」

「うん」

「そしたら友達『これ、メールの着信音だ』って言うんですよ。でもその話がクサいと思ったんでつっこんだんですよ、『嘘だね、何か匂うぞ』って」

「うん」

「そしたら『本当だ。疑うなら今メール送ってみろ』って。送ると本当に携帯からその音が鳴ったじゃありませんか!」

「ふむ。なんのために?」

「実際オナラしてしまったとき誤魔化せるように、ですって」

「で、実際はしてないオナラも勘違いされる、というな。遠慮して指摘されないケースの方が多いだろうから本人のためにも止めさせた方がいいぞ」

「わかりました。メールで伝えます」

「電話にしてやれ、せめて今回ぐらい」







【Jazz A to Z】

Gene Quill(ジーン・クイル)

Smoke Gets in Your Eyes

直情型のアルト・サックス・プレイヤー、ジーン・クイル。フィル・ウッズとの双頭コンボで語られることの多い人だが、本人名義の作品にもじっくり耳を傾けたいところ。
「頭にカーンとくるサックスを聴きたい」気分の今の私にピッタリきています。


Tangerine

I don't know

7.25.2018

n.270 たわ言P〈プライド〉

=Pから始まるとある会話=

「プライドはないのか?」

「ございません」

「その感じはまだまだ残っていると見た」

「ありません」

「まだ残っている」

「ない」

「いーや」

「にゃあ」

「ふむ、ない感じは出たな。猫か。猫にはプライドはないのかね?」

「にゃあ」

「なんて言っているのかね?」

「ある、と言っています」






【Jazz A to Z】

《Jackie Paris(ジャッキー・パリス)》

Skylark

真夏、外は酷暑の中、さほど広くない店内は薄暗く、冷房が聴いている。

たとえばそんな喫茶店で静かに耳を傾けたい歌手、ジャッキー・パリス。

声は太くもなく細くもなく、健康な男のそれ。

しつこくない節回しで、耳にすずしい。ただし、コクもちゃんとある。

 I've got a pocketful of dreams


 Cinderella

7.16.2018

no.269 たわ言O〈ちょっとそこまで〉

=Oから始まるとある会話=

「お出かけですか?」

「ちょっとそこまで」

「そこまでってどこです?」

「いや、ちょっと」

「ひょっとして、それで質問かわそうとしてません?」

「ははは」

「そんなに訊かれたらまずい用事ですか?」

「いや、そんなこともありませんが」

「なら、答えてごらんなさいね」

「いや、ちょっと」

「誰にも言いませんよ」

「だったらあなたに言うような用事でもないですから」

「ひょっとして前々から私のことを気にくわない?」

「、、、、、、じゃ、ちょっとそこまで!」






【Jazz A to Z】

《大石学》

Earth Song

ジャズだとかクラシックだとか、ジャンルで仕切られる前の、「ピアノ音楽」をじっくりと聞かせてくれる方。日本の風土に根付いたメロディが垣間見えます。

Glittering Green


Awakened Breezes 


7.12.2018

no.268 たわ言N〈残る楽しみ〉

=Nから始まるとある会話=

「残り全部あげる」

「いらないよ」

「えっ」

「腹いっぱいだよ」 

「そっか。胸は?」

「八分目ってとこかな」

「いっぱいじゃない!あとの二分は何?」

「そりゃ食後の展開によるさ」

「何か期待してる?」

「さぁね。やめようぜ、話したら雰囲気壊れるだろ」

「そうだね、、、、デザートでも追加しますか」

「別腹はあっても別胸ってのはないからな、失われる雰囲気は代えがきかないぞ」

「、、、、甘くないね、君」






【JAZZ A to Z】

《Andy Narell(アンディ・ナレル)》

Natty Stick

ジャズにおけるスティール・パン奏者としてしては、ジャコ・パストリアスとの共演で知られるオセロ・モリノ―とともにその名が知られるアンディ・ナレル。

80年代、トロピカルヒュージョンの立役者となった。

トロピカル・フュージョン、そんなジャンルがあったなんて!

上記の〈Natty Stick〉はボトムの効いたベースの上に軽やかにギターやパーカションが乗り、その上をカラカラとスティールパンが浮遊する。その得も言われぬ涼感見事!

夏にいいですね!

Two Tone Shoes



Play One For Keith


6.19.2018

no.267 たわ言M〈混ぜるな危険〉

=Mから始まるとある会話=

「混ぜるな危険って書いてあるがお前なら当然?」

「混ぜてみようか」

「ああ、混ぜちゃえ混ぜちゃえ」

「、、、、、青い煙が出てきた、臭い!」

「臭いだけで危険だって判断すると後悔するぞ」

「目に染みる!なんだこれ」

「未知の体験に感動するのは当然だ。俺も泣けてくるよ」

「クラクラしてきた」

「恍惚って奴さ」

「眠くなったきた」

「眠れ眠れ。きっと一生分眠れるだろうから」

「混ぜるな危険って言葉マジだったか、、、、」

「いい夢見れるといいな。あばよ」






【Jazz A to Z】

《Manuel Rocheman(マニュエル・ロシュマン)》

On Green Dolphin Street

フランスのピアニスト。92年作『White Keys』で仏国最優秀ディスク・ジャンゴール賞を
受賞。

力強いピアノタッチからはかの国のミシェル・ペトルチアーニを思い出させてくれ、ジャズピアノを聴く喜びを再確認させてくれるプレーヤーです。

White Keys

Zig Zag

6.17.2018

no.266 たわ言L

=Lから始まるとある会話=

「ラブソングってどうやってつくるの?」

「いま君が愛してる人のことを想うんだろうよ。心当たりは?」

「人類を広く。博愛主義だから」

「心がけには感動するが、人の心に響くのはもっと身近なケースだろうな。好きな人は?」

「いない」

「じゃあ、まず好きな人をつくることだろうよ」

「簡単に好きになれない」

「じゃあそのもどかしさを歌ってみれば?」

「そんな歌を聴いて誰が感動するもんか」

「僕は聞いてみたいけどね」

「それって好奇心?」

「君は『誰かに好かれてることに気づかない自分の愚かさ』を歌ってみるべきかもね」

「言ってる意味がよくわからない」

「なら、君はその歌を歌う素質あるよ。少なくとも僕は保証する」

「、、、、、ありがとう。1曲書ける気がしてきた」







【Jazz A to Z】

《Cleo Laine(クレオ・レイン)》

Shakespeare and all that jazz

最近、朝はトースト。アップルジャムのうえにシナモンシュガーをかけて食べるのがお気に入り。

子供の頃には好んで口にしなかったであろう味。

今回紹介するクレオ・レインもそんな独特なスパイスを感じる歌手。

イギリスのひと。50年代はジャズ歌手、60年代後半からはオペラやミュージカル、現代音楽にフィールドを移した。

テクニックに申し分なし。

シェイクスピアの詩をジャズ化した上記の作品も興味深いが、スタンダードナンバーを歌ったときの哀歓も素晴らしい。

Stormy Weather


April In Paris